シート高はカタログで最もよく引用される数値ですが、足が地面に届くかどうかの目安としては最も当てになりません。大切なのは足つき、つまりシートからその縁を回り込んで地面まで、脚がどれだけの距離を伸ばす必要があるかです。
シート高の数値が無視している4つのこと
- シート幅。脚はシート前端を回り込むように下ります。幅広でフラットなシートは数十mmも距離を増やし、細いシートなら脚をまっすぐ下ろせます。BMWが「インナーレッグカーブ」(シートをまたいで足先から足先までの弧の長さ)を公表しているのはこのためです。
- サスペンションの沈み込み。シート高は空車状態で測られます。座るとサスペンションが沈み、その量は15〜35 mmほど。ストロークの長いアドベンチャーバイクではさらに大きくなります。
- ブーツ。ライディングブーツは一般的に足裏で15〜30 mmの高さを稼ぎます。
- 身長ではなく股下。同じ身長でも、股下が5 cm違うことは珍しくありません。
股下の測り方
裸足で壁を背にして立ちます。ハードカバーの本を背表紙を上にして股に挟み、シートに押し上げられるイメージでしっかり引き上げます。背表紙の上端の位置を壁に印し、床までの高さを測ります。2回測って平均をとりましょう。
足つきレベルの目安
- 両足べったり:停車時も坂道でも万全にコントロールできます。
- 両足の母指球まで:慣れればほとんどのライダーにとって問題ありません。
- 片足べったり(腰をずらす):一般的で実用的なテクニック。停車時にお尻を片側にずらします。
- 片足つま先立ち:軽い車体なら経験豊富なライダーには可能ですが、重い車体や坂道、砂利道では難しくなります。
足つきと同じくらい重要なのが車重です。軽いバイクのつま先立ちのほうが、重いバイクの母指球立ちよりラクなこともあります。
足つきを良くする方法
- 純正ローシートやアンコ抜き(多くは20〜30 mm)。
- 厚底のライディングブーツ(15〜30 mm)。
- ローダウンリンクやローダウンサスペンション。ハンドリング、最低地上高、サイドスタンド時の傾きが変わるため、取り付けは専門店に依頼しましょう。
- サスペンションが対応していれば、プリロードを弱める。